薪ストーブ

【薪ストーブ入門ガイド】薪ストーブの選び方!知っておきたい基本のポイントを解説

薪ストーブは、寒い季節に心も体もあたたかくしてくれる、暮らしのパートナーです。

しかし、いざ薪ストーブを選ぼうとすると、種類がたくさんあって、どれが自分に合っているのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

この記事では、薪ストーブ選びで押さえておきたい4つの基本ポイントについて、わかりやすくご紹介します。
どんな薪ストーブが、自分たちの暮らしにぴったりなのか、ぜひ一緒に考えてみましょう。

1.暖房能力の目安を知ろう

薪ストーブを選ぶとき、まず考えたいのが「どれくらいの広さを暖められるか」という点です。
各メーカーで暖房できる面積の目安を提示していますので、それを目安に選ぶのが一般的です。

暖房能力の目安

一般的に、薪ストーブの暖房能力は「kW(キロワット)」という単位で表示されます。

日本の木造住宅(天井高2.4mの場合)では、おおよそ100w=1㎡を暖める暖房能力を持つと考えるとよいでしょう。

機種のサイズ別 暖房面積の目安

薪ストーブのサイズ暖房能力適した暖房面積の目安
小型3〜5kW30〜50㎡(18〜30畳)
中型5〜8kW50〜80㎡(30〜50畳)
大型8kW以上80㎡(50畳)以上

※ 実際の暖房能力は、住宅の断熱性能や天井の高さ、間取りなどによっても異なります。

石油ヒーターやエアコンと比べると、薪ストーブは暖房できる面積が大きく、広い部屋でも1台で暖めることができるパワーがあります。

薪ストーブの大きさ

薪ストーブのサイズは、「大は小を兼ねる」と考えたくなるかもしれません。
しかし、暖房したい空間に対して大きすぎる薪ストーブを導入した場合、次のようなよくない循環が起こりがちです。

部屋が暑くなりすぎる

火力を抑えて焚く

薪ストーブ本体が冷め
適温で運転できない

不完全燃焼が起きやすい

燃焼効率悪くなる
ススが溜まりやすくなる

薪ストーブ・煙突に負荷がかかる

基本的に薪ストーブの大きさは、暖めたい空間の総面積に合わせて選びましょう。

住宅の断熱性能

新築と築数十年経過した住宅とでは、断熱材の性能や施工基準が異なります。
既存住宅の場合は、薪ストーブの導入時に断熱リフォームを実施するか否かでも、選ぶべき薪ストーブが違います。

どのような施工プランがよいか、住宅条件や長期的コストも併せて検討・提案してくれる専門業者に依頼できると安心です。

✔︎ 暖房面積の概算は「100w=1㎡」

✔︎ 暖めたい空間より、少し余裕があるくらいの暖房能力を選ぶ

✔︎ 部屋の広さだけでなく、住宅の断熱性能も考慮しよう

2.デザインタイプ・素材を選ぼう

薪ストーブは、そのデザインでも空間の雰囲気を左右します。
暖房器具としてだけでなく、インテリアとしても選びたいと思う方が多いのではないでしょうか。

代表的な薪ストーブのデザインには「クラシックタイプ」と「モダンタイプ」があり、素材の違いでも印象が異なります。

デザインタイプ

クラシックタイプ

バーモント(チェスニーズ)

クラシックタイプは、重厚感があり、昔ながらの暖炉のような雰囲気が特徴です。
鋳鉄製のストーブが多く、細かい細工が施されていたり濃い色合いで存在感があるものが多いです。

モダンタイプ

クロエ(スープラ)

モダンタイプは、シンプルでスタイリッシュなデザインが特徴です。
直線的なフォルムや大きなガラス窓を備え、現代的なインテリアにも合います。

素材

鋼板製

ラリーブッシェ(スープラ)

鉄板を切断・溶接してつくられており、密閉度が高いのが特徴です。
熱伝導率が高く、焚き始めから短時間で室内を暖めることが可能です。

鋳鉄製

マークス(スープラ)

溶かした鉄を型に流し込んで作られています。
厚みがあり、蓄熱性に優れています。

ハイブリッド式

オルダリーT5(パシフィックエナジー)

主に燃焼室などの炉内が鋼板、外装が鋳鉄の二重構造でつくられています。
高熱になる炉内を鋼板製にすることで熱収縮による鉄の疲労を軽減し、長く使用できるよう工夫されています。

その他の素材

天然石製モデルの例 エコ(ライカ)

耐熱セラミックや石材を使用したものがあります。たくさんの熱を蓄え、遠くまで輻射熱を届けることができるため、空間を均一に暖めることができます。

デザインタイプと素材の組み合わせ例

クラシックなデザイン×鋳鉄製
伝統的な雰囲気があり、落ち着いた印象を与えてくれる

モダンなデザイン×鋼板製
シンプル・スタイリッシュなインテリアとも相性がよい

クラシックなデザイン×天然石製
重厚で温かみのある空間を演出してくれる

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3.機能をチェックしよう

最近の薪ストーブには、暖房以外にもさまざまな機能を備えたモデルが増えています。
望む用途に合わせて、便利な機能を選びましょう。

使用用途が広がる機能

クッキング機能

薪ストーブの天板を利用して、煮込み料理やお湯を沸かすことができます。
オーブン機能付きなら、パンやお菓子を焼く楽しみも広がります。

オルダリーT5(パシフィックエナジー)
天板が左右に広がり、広く調理スペースを確保できます

送風機能

薪ストーブでつくられた暖かい空気を循環させ、部屋全体を均一に暖めるための送風機能も便利です。

マルチフォーコシステム(ピアツェッタ)
薪ストーブの温風を、配管したダクトを通じて別の部屋へ送風することができ、全館暖房も可能にします。

クッキング機能付き
調理も一緒に楽しみたい方におすすめ

送風機能
居間と併せて、寝室や浴室など離れた空間を暖房したい場合に有効

4.ライフスタイル別おすすめモデル

家族構成やライフスタイルによって、薪ストーブの選択肢も異なります。
使用する頻度や時間帯、暖房能力や薪の保管(薪の大きさなど)について事前にイメージできると、機種を選びやすくなります。

家にいる時間が長い方

家にいる時間が長く一日中火を絶やさない生活なら、大きな薪が投入できて燃焼時間が長い大型モデルがおすすめです。
蓄熱製の高い鋳鉄製のモデルならじっくり熱が伝わるので、薪の投入回数を抑えることができます。

ソールズバリー(チェスニーズ)
鋳鉄製+鋼板製の構造で、効率よく空間を暖めます。

共働きや外出が多い方

日中不在がちなら、短時間で立ち上がる鋼板製の小型~中型モデルがおすすめです。

アナヤ・トリビジョン(スープラ)
鋼板製でコンパクトなモデル。3面ガラスで、多方面から炎を楽しみながら熱を伝えます。

料理も楽しみたい方

薪ストーブ料理を楽しみたいなら、オーブンスペースや広い天板を持つモデルを選びましょう。
例えば、炉内にダッチオーブンを入れて調理をしたければ、炉内に鍋が入る余裕があるかサイズを確認する必要があります。

オルダリーT5(パシフィックエナジー)
左右に広がるウイングトップと天板で、加熱・保温と用途を分けて調理できます。

力に自信がない方

高齢者や薪運びに不安がある方には、炉内のサイズがコンパクトで短い薪で足りるモデルだと扱いやすいでしょう。
自動で燃料が投入できるペレットストーブを選択肢に入れてもよいかもしれません。

P220C(ピアツェッタ)
ペレットストーブ+マルチフォーコシステムで全館暖房を実現します。

家にいる時間が長いなら…
大型&蓄熱製の高いモデルがおすすめ

共働きで朝夕の使用がメインなら…
立ち上がりが早く、扱いやすい鋼板製の中型モデルがおすすめ

料理もたくさん楽しみたいなら…
クッキングモデルで冬をもっと楽しもう

高齢者や力に自信がない方なら…
小型&短い薪対応のモデルで負担を軽くしよう

まとめ:自分らしい薪ストーブ選びを

薪ストーブは、単なる暖房器具ではありません。
電源がなくても稼働するアナログな仕組みですが、燃焼効率を高め、厳しい排気基準をクリアするために、地道な検証と最先端の技術が詰まったハイテクな機器でもあります。

多様な機能がある中、「どんな暮らしをしたいか」という視点で選ぶことが大切です。
暖房力・デザイン・機能・ライフスタイルなどのバランスを見極めれば、薪ストーブは冬の時間をぐっと豊かにしてくれる相棒となるでしょう。

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