祖母のけやぐ(親友のおばあちゃん)から築50年程度経過した古民家を譲り受けることになりました。
本記事は、不動産を譲り受ける(売買)までの経緯と今後の活用方法について記しています。
経緯
外壁や内壁、床までもが無垢の杉板を使用しておりとても趣のある建物です。
しかも、その杉はおばあちゃんが所有する山林の間伐木が使われているとのことで、とても想いがこもった素敵な空間です。
そんな素敵なおうちですが、おばあちゃんが高齢で、他県に住む一人息子の家に同居することとなり、空き家になってしまうため、父が処分方法等について相談にのることに(祖母は3年前に他界)。
いろいろ条件を整理していくと、なかなか売りに出すには厳しいということがわかってきました。
- トイレがボットン便所
- 部屋が断熱されておらず、極寒
- 敷地内にある巨木10本程度を伐採する必要がある
いずれの対策についても費用を要するのですが、特に③が厄介です。
近隣住民から枝や葉っぱが落ちてきて、長年危険な思いをしているので、伐採してほしいと
何度も要望が出されており、早急に対策を講じる必要があるとのことでした。
おばあちゃんとしては、木がいつか高く売れるのではないかと考え、伐れずにいたのですが、今回家を手放すこととなり、なくなく伐採することを決心。
ただし、伐採の費用は出せないため、不動産の買い手に伐採してもらうことを条件に売りに出すことにしたのですが、なかなか買い手が見つかりませんでした。
伐採する木は、欅(ケヤキ)10本程度で、一番太いものは胸高直径が1m以上あり、人家に隣接しているため、特殊な伐採技術が必要で相当費用がかかるので、そこがネックとなったようです。
さて、どうするかとみんなで作戦会議をしている最中、かつて私が幼稚園くらいのときに、この素敵な無垢の家でここの一人息子と私の兄と私の3人で遊んだこと、そのとき食べたせんべいがうまかった記憶がふっとよみがえってきました。なんか自分の思い出の一部が呼び起されたとたんに、急にこの家に愛着を感じ、気がついた時には、僕でよければ買いますよと、言ってたんですね~。
また、やってしまった!奥様には何も告げずに不動産を持つという大きな決断をしてしまいました。しかも買った直後に欅の巨木も伐採しなければならないという、、、。
夫婦の間のやりとりは割愛しますが、奥様の合意も得られ無事に売買契約締結の運びとなりました。(省きすぎ、、、)
欅さんの活用方法
普段、山仕事をしていますが、このケヤキはすこし厄介です。枝が小屋の上にせり出し、隣の人家等もあるため、一介のキコリに手に負える相手ではありません。
そのため、今回は特殊伐採のスペシャリストに作業を依頼することにしました。
伐採した木はできるだけ長いまま積み上げていただくようにお願いもしました。
なぜかというと、これです。
じゃーん!
山の恵みを最大限生かすために買っちゃいました。
移動式製材機です。しかも90cmまで丸太を挽くことができます。
この製材機を古民家の駐車場に設置したので、今回伐採した木はすべてその場で板ものや角材へと製材することが可能です。しかも、端材は薪、鋸くずは牛の敷材に活用することで、まさに捨てるところなし。
木の価値を最大限高めることが可能です。
林業の丸太の価格は、市場にゆだねられているので、どんなに思いを込めて育てていても丸太に自分で値段をつけて売ることは困難です。
しかし、素材のまま売るのではなく、自分で加工してみるとどうでしょうか?
製材機で板や角材にしたり、家具や食器に加工してみたらどうなるでしょうか?
一気に、木の価値が何十倍にも跳ね上がり、しかも自分で値段を決めて販売することが
可能となります。
これまで、農業の分野では生産から加工、販売までを一貫して行うことで付加価値をつける6次産業化の取組が進められてきましたが、林業については、扱う丸太が巨大で加工する製材機等が高価であったため、6次産業化という考えはそこまで浸透していなかったと思います。
ただ、この移動式製材機のおかげで、だれでも簡単に(言い過ぎ)、製品に加工することができるようになりました。あとは、販売を頑張る!必要があるのですが、まずは製材技術を磨きながら販路についても模索してきたいと考えています。
おばあちゃんが大事に育てた木の価値を最大限高めるため、できることはすべてチャレンジしていきたいと思います。
古民家の活用方法については、後日記していきます。
ではまた。