ユウ便り

青森の自然が育んだ菜種油をどうぞ

Yew Villageは森林・林業に関わる事業をメインとしていますが、少量ながらナタネの栽培、菜種油の販売も行っています。

今回は、収穫を1ヶ月後に控えるナタネ栽培と菜種油ができる様子を、写真を中心にお伝えします。

種まき 〜 冬越し

9月初旬、ナタネの栽培は種まきから始まります。
葉が少し大きくなったところで冬を迎え、雪の下で春を待ちます。

ナタネの種まき
9月ナタネの種まき
ナタネは2週間ほどで発芽
9月 2週間ほどで発芽
葉をつけたまま越冬するナタネ
11月 葉をつけたまま越冬

現在は栽培期間を通じて、無農薬でナタネを栽培しています。
毎年大きな病気にもならず、収穫を迎えることができています。

菜の花畑 〜 収穫前

春を迎えると、1ヶ月ほどで茎がグッと伸び、菜の花畑へ姿を変えます。
花が終わると、種が入るサヤが少しずつ膨らんでいきます。
黄緑色のサヤが、茶色くカサカサ音を立てるようになると、収穫の合図です。

生長するナタネ
4月 春の陽を浴びてぐんぐんのびる
生長するナタネ2
5月 畑一面黄色に染まる
夕日と菜の花
ナタネのサヤが膨らむ
6月 サヤが膨らんでくる
収穫を待つナタネ
7月初旬 サヤが乾燥し収穫を待つ

収穫 〜 ゴミ取り

7月初旬、梅雨の晴れ間に収穫を行います。
収穫期のナタネは、鞘の中で黒く並んでいます。粒がとても小さいので、なるべく落とさないよう収穫も一苦労です。
コンバインで脱穀まで行いますが、小さなゴミやサヤが混じるので、乾燥させながらゴミを取り除きます。

サヤの中のナタネ
サヤの中に黒い種が並ぶ
ナタネ収穫
収穫時は 大人の背丈ほどになる
コンバインで収穫・脱穀したナタネ
コンバインで収穫・脱穀
ナタネのゴミ取り
サヤやゴミを取り除く

きれいに選別し終えた後は、搾油工房へ納品、いよいよ油を絞ってもらいます。

油を絞る

毎年搾油を依頼しているのは、岩手県一関市にある「工房 地あぶら」さん。

納品した菜種は、薪火で焙煎し、搾油機でじっくり圧力をかける「圧搾製法」で油を絞っていきます

薪火の焙煎釜
薪火の焙煎釜
菜種の焙煎
焙煎することで油が搾りやすくなる
圧搾機
圧搾機 全工程 職人さんの勘に頼るところが大きい
搾油された菜種油
黒い菜種から黄金色の油が生まれる
菜種の搾りかす
搾カスは農業用肥料や飼料として活用できる

機械を使用していますが、焙煎具合や圧搾の加減など、仕上がりに関わる工程は、職人さんの勘と腕が頼りの手仕事です。
また、化学処理は一切しない昔ながらの製造方法で油を絞っており、食や自然、郷土への温かな想いを持っていらっしゃいます。

黄金色のなたね油

たくさんの手を通してできた油は、本当に美しく、シンプルな調理ほど素材のよさが引き立ち、手前味噌ながらとてもおいしいです。
揚げ物が苦手だった祖母も、「この油の揚げ物はおいしいね!」と話していました。

味も風味も、毎年少しずつ変わりますが、それもまた楽しみの一つです。

今年のナタネを収穫しましたら、また様子をご紹介したいと思います。