製材

wood mizerの製材機で一枚板の仕込み

Yew Villageでは、wood mizer社の製材機[LT15 wide]を導入しています。

直径90cmまでの丸太を挽くことが可能であるため、大概の丸太は挽くことが可能です。丸太の長さは5.4mまでですが、架台を延長することで、無制限に挽くことができます。

今回は、広葉樹の大径木が手に入ったので、一枚板の仕込みをしました。

据付 ~ 製材

据付

架台の上に丸太を載せて、元口と末口の中心を水平にし、クランプで固定すれば準備完了。

丸太をバックホーで製材機にセッティング
バックホーで丸太をセット 写真の樹種はヤナギ

製材

ハンドルを回せば鋸刃を上下できるので、狙った厚みに合わせます。
あとは、鋸刃を前進させれば製材が完了です。
オプションで追加すると、鋸刃の前進を電動で行うことも可能になります。

製材機の鋸刃
鋸刃を上下させて製材の厚みを調整
二股の板材
製材機導入前は、チェーンソーを使用して板材を生産していたが、劇的に生産性が向上
最大90cmまで製材可能
最大90㎝まで製材可能なため、二股のナラの製材も容易 
二股の板材を製材
据付から製材、仮置きまで1本あたり45~60分程度で作業が完了(40㎝以上の大径木を一人で製材する場合)
直径80cmの広葉樹を製材
直径80㎝のヤナギも楽々製材

端材の活用

製材の際に必ず発生する耳の部分は、チェーンソーで30~40cmの長さに切断することで、薪がいとも簡単にできあがります。
これまでは、せっせと薪割りを行っていましたが、製材のついでに薪を効率的につくることができるようになりました。

割れ止め ~ 桟積み ~ 乾燥

割れ止め

板の割れを防ぐために、木口に割れ止め(ボンド)を塗布します。

製材後は木口に割れ止め処理をする
製材後は木口にボンドを縫って割れ止め処理

桟積み

製材は容易にできるのですが、板を広げて一枚づつ割れ止め処理を行い、桟積みを行う作業が腰にくる…
重いものでは一枚70~80kgになるので、作業終わりには足はプルプル、腰はガクガク…。
それでも、桟積みしてバンドで固定すると、なんとなく板屋さんな雰囲気が醸し出されます。

板材の乾燥
ボンドが乾いたら桟木を挟んで集積し、バンドで固定

乾燥

乾燥期間は樹種によっても異なりますが、厚さ1寸(3cm)で1年が目安のようです。
今回挽いた板は、大半が6~8cmの厚さなので、2~3年後に完成?

今回、初めて本格的に広葉樹を挽いたので、乾燥についてのノウハウは皆無。
時間の経過を見つつ、乾燥具合をモニタリングしていきたいと思います。

板材の乾燥2

可能性は無限大

これまで広葉樹の大径木が手に入っても薪利用しかできず…
しかし、wood mizerを導入してからは効率的に板や角材の生産ができるようになりました。

広葉樹を挽いてみて感じたことは

・曲がりや二股、虫食いなども魅力的
・自分で挽いたためどれも愛着があり、かわいい!

ということ。

素性のいい優等生な板よりも かなり手のかかる板の方が、どのように加工するか想像力が掻き立てられ、ワクワクが止まりません!

オートメーション化された大型木材加工施設に持って行けば二束三文にしかならないか、そもそも受け入れてもらえない可能性すらある個性的な「樹」たち。
それを適材適所に活かし、価値を創造することができる喜びを感じながら、今日もwood mizerで製材に励みます。

これからも、小さな林業をコツコツ実践していきたいと思います。

入皮部分
これまでは薪にしていた入皮部分も積極的に利用
虫食い板
虫食いあとがある板も独特な景色が楽しめる 個人的にはきれいな板よりも好き