青森の林業が始まるところをご存じですか?
それは、青森県十和田市にあります。
その十和田市内に林業研究所※が運営する「十和田ほ場」があります。
ここでは、スギやヒバを中心とした林業用の種子生産を行っています。
※正式には、青森県産業技術センター林業研究所十和田ほ場
約20haの敷地内には種子生産用のスギやヒバ、アカマツなどが生育しています。
伺った際には、スギとヒバの球果を採取しているところでした。
青森県内で流通しているスギの苗木はすべてここで生産された種から育てられたもの。
まさに、ここが
「青森の林業がはじまるところ」
なのです。
でも、林業関係者の中でもこの十和田ほ場の存在を知る人は少ないと思います。
私もつい5年前まで、十和田市に林業の重要な施設があるとは知りませんでした。
林業というと、チェーンソーや林業機械を用いた木の伐採ばかりがとりあげられがちですが…
でも、優良な種がないと、優良な樹木は育ちません。
また、優良な種があっても、
優良な苗ができなければ
植えられた木が適切に間伐等の手入れがされなければ
優良な木材を生産することができません。
種をつくる、苗木をつくる、植栽木を手入れする仕事は地味ですが、なくてはならないとても重要な仕事なのです。
スギの球果採取
球果の大きさは直径1cmほど。
球果がたわわに実った枝をノコギリで切り取り、雨の当たらない作業場で一粒一粒取り分けられます。
それを乾燥したのちに、球果の中の種子を取り出して完成となります。
とても手間のかかる作業です。
採取の時期は、年によって変わりますが、9月末から10月初めに行われます。
ヒバの球果採取
ヒバの球果もスギとほぼ同じタイミングで収穫が始まります。
枝ごと切り取るスギと異なり、ヒバは球果のみを一粒一粒素手で収穫していきます。
この秋の収穫期には臨時職員さんが応援に来てくれて、この日は総勢10名で採取作業を行っていました。
ヒバは8割以上が青森県に生育しているといわれていて、まさに青森県の「木」として指定されています。
そんな青森ヒバを用いて、Yew Villageでは、一枚板のテーブルとAVボードをご依頼いただき製作しました。
人目に付きづらく、具体的に仕事のイメージがしづらい「林業」。
青森の林業が始まるところは
100年先の森づくりを見据えて
今日も静かな作業が進んでいます。