KEDO

家庭用薪ボイラー「KEDO」を体験

Yew Village展示場の家庭用薪ボイラーの蓄熱タンクを大型のものに更新し、再始動しました。
今回は、そのファーストインプレッションです。

まだ、再始動から一週間程度しか経過していませんが
結論から申し上げて「かなりいい!」です。

KEDOの商品詳細は下記のメーカーHPからご覧ください。

これまでの経緯

焚き始めから蓄熱タンクの増量決断まで

今冬に家庭用薪ボイラー「KEDO」を焚き始め、基本的には性能に満足していたのですが、運用する中で、青森の寒い冬を乗り切るための改善点が見えてきました。

改善点
もともとのシステム(KEDO+蓄熱タンク200L)で暖房を維持しようとすると、3時間おきに薪をくべる必要がある。
(たとえ真冬の真夜中、気温が−10℃であろうと…!)

そこで、蓄熱タンクを大型化し、薪をくべる回数を減らすべく、工事をスタートさせました。

薪ボイラー『KEDO』焚き始めました。 薪ボイラーは、薪や枝などを熱源とするボイラーです。タンクの中にお湯をためておき、蛇口をひねるとタンクの中から給湯されます。また、パネル...
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施工編

薪ボイラーの配管だけでなく、蓄熱タンクを室内に置くための大工工事や薪ボイラー設置個所の生コン打設等、下準備から機材施工までを一貫して実施しております。

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薪ボイラー、蓄熱タンクの外観

薪ボイラー「KEDO」

家庭用薪ボイラー「KEDO」は高さ約1m、横幅奥行きが0.6~0.7 m程度と、とてもコンパクトです。

ボイラー内部には電子部品等やバルブ・安全装置などがないシンプルな構造で、故障のリスクが少ないです。
また、バルブや安全装置をボイラー外部に設置するため、万が一修理等の必要があっても容易にメンテナンスが可能なことが特徴です。

左は薪ストーブの煙突、右が薪ボイラーの煙突
高さ:1,060mm 幅:595mm 奥行:690mm テスト段階のため配管保温はこれから
煙突は2階屋根まで約7m これから屋根設置工事に入ります
右の煙突は室内に設置している薪ストーブのもの

蓄熱タンク

蓄熱タンクは1,500ℓもの容量があります。

室内の蓄熱タンク:容量約1,500L

燃焼テスト

水温について

薪ボイラー 焚き始め 〜 蓄熱タンク 水温上昇

薪ボイラー上部にある蓋を開けて、薪を投入します。

2回薪をつぎ足し、約3時間で蓄熱タンク内の温度が80度に到達。

薪ボイラー 投入口
投入口が広く、容易に薪を投入できる
薪ボイラー試運転(屋外:1時間後)
加熱を開始して1時間後 薪ボイラー出口の温度計が20度から50度まで上昇 
薪ボイラー試運転(屋内:1時間後)
同じタイミングで、約15m離れた室内の蓄熱タンクは40度
薪ボイラー試運転(屋外:3時間後)
約3時間後 水温が80度を超える

蓄熱タンクの保温時間

当初の200L蓄熱タンクを使用していた際には、30分ほどで蓄熱タンク内の温度が80度以上に達していましたが、さすがに1,500Lタンク内を温めるのには時間がかかります。

蓄熱タンク内部2
メーカーHPより抜粋(メーカーサイトを見る)

その分、一度温められた大量のお湯は、厚さ100mmの保温材に守られて、温かさを維持してくれます。

蓄熱タンクの温度が24時間で、どの程度低下するか観察したところ、一日平均5~6度低下することがわかりました。(この間、タンクのある室内の温度は20度~25度程度)

80度のお湯が5日後にも50度を保っていました!

個人的には、もっと低下しているかと予想しておりましたが、蓄熱タンクの名の通り、しっかりと温水を蓄熱してくれることがわかりました。

今後の改良点

今回テストの際には、蓄熱タンク周辺の配管は保温材を巻いていない状況で、蓄熱タンクと大差ない温度であり、ここからの放熱がかなりあったと考えられます。
そのため、今後すべての配管に保温材を巻いた場合、温水の温度低下はより緩やかになることが予想されます。

今から、本格的な冬到来後に、給湯だけでなく暖房にも使用するのが楽しみです。

排気について

煙突の高さ

家庭用薪ボイラー「KEDO」は、排気にファンを用いない自然排気のため、炉内の温度を高く維持し、燃焼を安定させるためには、ある程度の高さの煙突が必要となります。

個人的に最も気になっていたのが、煙突から排出される煙について。

前回は立地条件的に5mまでしか煙突を伸ばすことができず、燃焼がやや不安定かなと感じることがありました。
今回は煙突を7mにしたところ、順行運転中は煙の発生がなく、目を凝らすとうっすら無色透明の陽炎をみることができました。

排煙の様子

さすがに、焚き始めから10分ほどは炉内の温度が低いこともあり、白い煙が少し発生しますが、順行運転に移行してからの排気は予想以上にクリーンで、とても満足のいく結果でした。

薪ボイラーの排気
燃焼開始から20分ほどで煙突の排気は無色透明に

給湯について

いざ給湯!

設置した蓄熱タンクは、タンク内部に給湯用のタンクが格納されていて、薪ボイラーで温められた温水が蓄熱タンク内に満たされることで給湯用タンクも温められる仕組みとなっています。
そのため、給湯用タンクへの給水や蛇口までの配管はタンク上部に設けられています。

蓄熱タンク天井部の配管
青いパイプが給湯用タンク内への給水配管 赤は給湯用タンクから蛇口までの配管

さっそく蛇口をひねると、いつもの生活となんら変わらず、温かいお湯が得られます。
もちろん、台所だけでなくお風呂も洗面所も!

薪ボイラーの給湯:台所
給湯用タンクの温水が蛇口をひねると出てくる
薪ボイラーの給湯:風呂
お風呂も同様に給湯される

薪ボイラーで得られるモノ

燃料が灯油から薪に変わっただけで、これまでの生活と変わらずにお湯が得られます。

生活は変わりませんが、温室効果ガスをたくさん出す、異国から持ち込まれた、しかも限りある化石燃料から、地域に身近にあり、カーボンニュートラルな薪を使用することは大きな変化です

自分では抗うことのできない灯油や電気代の高騰も関係ありません。

薪を自給できれば、燃料代の高騰に一喜一憂することなく、何も不自由することなく生活することができます。

地域内の資源を活用することで、地域の経済を循環することにも寄与します。

薪ボイラーや薪ストーブに興味がある方は

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東北地方で助成制度のある自治体リストを作成しました。
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