少し前になりますが、クリの一枚板テーブルを製作・納品いたしました。
Yew Villageの製材品
弊社では、伐倒・製材・乾燥・仕上げ、すべての工程を一貫して実施しています。
今回製品に使用したクリの一枚板は、チェーンソーが乗っているもの。
写真だと小さく見えますが、長さは4,000mm、幅は450~750mmあります。
木と向き合う時間
一枚板の反り
乾燥期間を経て、板は木表側(木の樹皮側)に反ります。
下の写真の面が木表。
この反りをあの手この手で平滑にすることで、一枚板となります。
これまでやすりで仕上げを行ってきましたが、かんな仕上げに挑戦することにしました。
以前、ヒバのテーブルを製作した様子は下記からご覧いただけます。
かんな と やすり
かんなの方がやすりに比べて表面の細胞がきれいに削られているため、塗料等を塗らなくても光沢があり撥水性もあります。
例えば、建築の世界でも、宮大工さんや伝統建築の現場では、かんなで木の表面をツルツルに仕上げます。
一方で、柱がすべて壁の中に隠れる最近の新築住宅では、かんなは使用されず、もっぱらやすりで仕上げられます。
かんな仕上げの魅力
今回かんな仕上げをやってみて、なぜ、流通している一枚板の大部分がかんなではなく、やすりで仕上げられているのか理由が分かりました。
それは、かんなは刃を研ぐ技術が必要で、削るのにも技術が必要。そして、とんでもなく手間と時間がかかるから。
今回は納品日前の2日間だけでも、合計10時間以上はかんなと格闘していたと思います。
とても大変で、手首は腱鞘炎寸前…!
それでも、次回以降もかんな仕上げにチャレンジしようと決心しました。
「馬鹿か」と言われるかもしれませんが、間違いなくやすり仕上げに比べて、かんな仕上げの方が魂のこもった作品になったと思います。
やすりがけは「商品」。かんながけは「作品」。
(個人的見解です。異論は認めます。)
ほかの人が選ばない道をあえて通るのがYew Village。
これからも魂を込めて「作品」を仕上げていきます。
樹から木へ
ウィークポイントか チャームポイントか
かんなで仕上げた後は、自然塗料を塗ります。
今回は、依頼者様にもご理解いただき、節穴は埋めたりせずそのままとしています。
個人的にはこの穴があったほうが魅力的だと思う。
この一枚板が樹として生きていた頃の息遣いを感じることができます。
杢もきれいです。
一心不乱に磨き上げる
最終仕上げは弊社展示場内にて。
納品日直前のしびれる時間帯…
あれやこれや作業を進め、気がつくと納品日の朝を迎えていました。
展示場内は嵐が通り過ぎたかのような散らかり具合。
うん…本当にひどい…。
クリの一枚板テーブル
無事に岩手のお客様のもとへお届けすることができました。
最近、一枚板の製作をご依頼いただく機会が増えてきました。
興味がある方は、ぜひお問合せください。
ご連絡をお待ちしております。